鳥はさえずり私は本を読む。

お勧めしたくてたまらない大好きな本だけを。

お盆の旅と、終わりとはじまり

全くイメージのできないものを

形にして、ぐいぐいと問いかけ訴えかけてくる物語にあなたはどんな感情を抱くだろうか?

 

 

世界に終わりなんて来ない

 

 

あと3年で世界が終わりを迎えるとしたら?

あなたはどうしますか。

自分の人生にどうやって納得しますか? 

伊坂幸太郎はこの物語を通して容赦なく問いかけを投げかけてくる。

 

 

終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)

 

 

 

 

終末、とあるように終末のフールは

3年後に地球の終末を迎える世界を描いている。

小惑星が地球に向かい、3年後に衝突し、その衝撃によって全てが破壊されると言うのだ。 

世の中は混乱し、人々は奪い合いをする。

 

 

こういった類の質問に、

大概の人は最後まで答えを出せない。

もちろん私もその1人だ。

実際の3年後はおそらくいつものようにパンを齧って、あくびなんかして、生活が続いていくのだから。

どうせ世界、おわんないしなーと、いつも途中で匙を投げる。

 

〝丸付け〟がいつも快感だった

 

 

短編として編まれる終末のフールの

それぞれの物語では誰もが答えの出ない問いに対峙した。

そして、皆、きちんと答えを出す。

あるいは初めからそこにあった結論との答え合わせ、なのかもしれなかったり。

 

 

そして、必ず答え合わせの先に、正解とか、小さな暖かさを感じることができるから、この小説は素敵なのだ。

 

 

誰もが後ろ向きな世の中で、前を向く。

例えば、混乱した人々の暴動により両親を亡くした少女は父が集めた本を全て読みきった後、

新しい恋人を探して歩き出す。

 

 

現状にあーだこーだ言うより

何でもいいから新しいものに向かって前を向く方がいい。

 

 

それって、

こんな時代を歩む私たちにも言えることだよねって何となく勇気付けられる。

 

 

猛暑が続きます。

涼しく冷えた部屋で、サイダーなんて飲みながら、あなただけの答え合わせを是非してみてください。

 

 

(私は、旅先で読み切り、温泉でひとりしみじみと感動を噛みしめました♪)

 

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岐阜を、巡りました。

良い夏休みを…!